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教員News(No.26)

作業療法学専攻
今取り組んでいること~授業~

安倍 優子

 私が主で受け持つ授業はまだほとんどありませんが、3年生前期の作業療法学実践論演習という授業の中で、発達障害に関する授業を一部担当させて頂いています。4時間分と大変短い時間の中で、「如何に学生に楽しく興味を持って積極的に授業に取り組んでもらうか」ということが私のテーマになっています。

発達障害領域の作業療法は「遊び」を主体としています。子どもたちは治療のプログラムにおいて「何を何回しなさい!」といっても取り組んではくれません。また、嫌々取り組んでも良い作業療法にはなりません。ですから、「遊び」の中にこちら側がさせたいことをうまく織り交ぜて「楽しく遊んでいる風」にみせる技術が必要です。これを実際に出来るようになるためには、その遊びがどのような要素で成り立っているか、どのような機能が必要か、どのようにルールを変更すればその子の機能でも行うことが出来るかなど細かく考える必要があります。しかし、それらが書いてある教科書はありません。自分でそれを分析し、実際に体験して確認し、子ども達に提供するという過程が必要です。

 上記にあげた技術は、すぐに出来るわけではありません。試行錯誤を繰り返しながら徐々に上手になっていきます。何事も経験が大事だと思い、私の授業では、学生時代からその一部を体験してもらうことにしています。

 下記の写真は、今年の作業療法学実践論演習の授業の一コマです。症例の状態が書かれたものを読んでそこから考えられる問題点に対し、実際に「遊び」を用いた治療プログラムを検討して、それを実演してもらっています。それらの中で、上記に挙げたような分析を行い、実際に(こどもに見立てた学生に)提供してみて治療として本当に成り立つかどうかを考えてもらいます。「遊び」を考えるという授業ですので、学生も楽しみながら授業に取り組むことが出来、且つその難しさを体験することができます。

 経験は大事、でもどのように経験させるかがもっと大事と私は思っているので、子どものリハビリも学生の授業も「ちょっと難しい???でも楽しい」と思ってもらえるよう今後も取り組んでいきたいと考えています。